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火口のふたりのhoteltokyoのレビュー・感想・評価

火口のふたり(2019年製作の映画)
3.5
柄本佑演じる賢治の元に、かつて恋人同士だった瀧内公美演じる直子が現れる。2人は以前、合う度に激しい肉体関係を交わしながら、行為中の出来事を写真に残す仲だった。直子は結婚する事を賢治に告げると、久しぶりにお互いの肉体に溺れ合う。旦那になる予定の人が自衛隊という仕事柄、家を留守にしている間は賢治と会って体を貪り合いながら、昔話だとか、今の事だとかを話し合う内に、お互いの現状や心境が徐々に明らかになっていく。的な物語。

『彼女の人生は間違いじゃない』で心に残る役柄を演じた瀧内公美さんが本作でさらにカムアゲイン。以前にもまして“女優感”が増した彼女が、もともと演技に定評のある柄本祐と、濃厚で湿りっけある気難しい間柄を演じきっている。なんだろうか、瀧内公美さんのように女優一本でカメラ通じてしか出会わない女性ってなんか良いよね。服着てたり脱いだりするシーンが交互に繰り返されるも、途中から服だろうが、裸だろうがあまり気にならなくなる不思議。二人の会話から紐解かれる関係と過去に意識が行く。エロティズムよりもモダニズム。

まるでSEXのトライアスロンを楽しむかのように燃え上がる二人。二人にしか入っていけない世界があるのが何故か羨ましくなる。そしてこの炎は富士山の火口より熱しやすく、冷めにくい。そんな映画。
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