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火口のふたりのkalindaのレビュー・感想・評価

火口のふたり(2019年製作の映画)
3.6


“ヴァイブレータ”“さよなら歌舞伎町”
荒井春彦氏が、監督・脚本ということで
覚悟を決め鑑賞。

全然やらしくなかった。
微笑ましい。

人間の三大欲求を、
かなり描いているものの、
フツーに、カップルの日常を覗いているような、
そんな自然な感覚。
でもこの“普通に見える”
これは、俳優さんの演技力の高さ。
他の俳優さんなら、あんなに自然な2人に
見えへんかったんかも…。
柄本さんは勿論、瀧内さんが、男前。
役柄なのか、サバサバしてはる。
せやけど、賢ちゃん(柄本さん)の前では、
たまにチラッと小さい頃のような
表情をしはる。ほんま自然…。

“作って人に食べさせるのが好き”
お料理をした賢ちゃんのセリフ。
めっちゃ共感。 笑。

アルバムのシーンも好きやし、
お風呂のシーンも好きやなぁ。

ヴァイブレータ、さよなら…
この2作品でも、
2人が湯船に浸かって語るシーンがある。
荒井監督は、お風呂…真っ裸になる、
大切にしてはるのかなぁ。
2作品でも、好きなシーン。

そりゃそういうシーンもあるけれど、
そういう系統の作品じゃないし、
もっと人として、
“生きるということ”を描いてはる気がした。

ちょっとクスッと笑うところもあり…。
日常やからね。あるよね。
現実的に考えて、2人の関係性に
辛くなったり…。
タイミングって、大切やな…。

身体の言い分…。
身体の言い分ねぇ……。


色々考える作品でした。
生と性。
ほぼ2人だけの会話劇。
観る価値アリです。
モノクロ写真が素敵です。
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