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テリファイドのrollinのレビュー・感想・評価

テリファイド(2017年製作の映画)
4.0
冒頭から新耳袋さながらのエピソードが披露されて期待度ビンビン。音の演出に拘っているホラーはそれだけで好感が持てる。

本作の特徴は、とにかくハイペースで怪奇シーンをブッ込んで来る気前の良さ。実際そこで現れるモノや演出自体に新鮮味はないものの、時にシュールなまでに観たいモノを見せてくれるアルゼンチン監督のビールっ腹なサービス精神は歓迎したい。あとアルゼンチンの郵便ポストにカルタって書いてて勉強になった。

件の事故物件に集結したエクソシスト・アベンジャーズが各自好き放題に仕事をして散らかりまくる展開は最早愛しいレベル。ニヤニヤ楽しそうに解説する爺さん好き。水を介在物とする女博士の学説も実に正統なホラーマナーで良い。

語り口としては、Jホラーの名作『残穢』のような、怪奇現象とその因果を遡ってショートエピソードを繋げるオムニバス形式に徹底した方が面白かったかも。このジャンルとしては完成度は高い方やけど、もっと色んなエピソードが観たいし、解決するか否かは別として、もうちょっと手掛かりや動機付けが欲しいところ。
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