Mariko

クーリエ:最高機密の運び屋のMarikoのレビュー・感想・評価

4.2
公開前からずーっと観たかったのに、延々と観る機会を逸してきた今作。
冷戦下を描いた作品はたくさんあるけれど、結構な確率で地味になりがち。そしてこちらもご多分にもれず地味、けれど堅実で素晴らしい。しかもこれが実話に基づいているというのだから凄い。

立ち位置や関係性はまったく違うけれど、やはり冷戦下ものの『ブリッジ・オブ・スパイ』をちょっと思い出させるテイストで、こういうの好き。
まあ何よりベネさま演じるユーモアあふれる「ただの」イギリス人セールスマンが、情報の運び屋としての任務を引き受け、やがて大佐との友情を育む中でその熱意も共有するようになり、その大佐を助けるべく再度モスクワに向い、そして投獄されてからの変貌ぶり、期待を裏切らない!
ペンコフスキーの最期が自身の行動が平和に大きく貢献した、という希望に満ちたものであったこと(事実がどうだったのか知らないけれど)を伝えてほしかったけれど、描かれなかったということがその答えなのかしら...

エンドロールで映されるご本人も、短時間ながらユーモアあふれる有能なセールスマン感に溢れていて(まったく「ただの」セールスマンではない!)これにベネさまが抜擢されるのも納得。
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