ヘソの曲り角

ラヴィ・ド・ボエームのヘソの曲り角のレビュー・感想・評価

ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)
4.0
(寝不足で全体的にうとうとしてしまった…)

冒頭の華麗なずっこけから留置所洗面器破壊までカウリスマキ印のスラップスティックが散りばめられたメロドラマ。刹那的ちゃらんぽらん芸術家たちの綱渡り栄枯盛衰。「まあ、でしょうな」としかならない話にここまで可笑しみと哀愁を漂わせられるのはさすが。マルセル(アンドレ・ウィルム)、ロドルフォ(マッティ・ペロンパー)、ショナール(カリ・ヴァーナネン)それぞれ個性的すぎかつ幸薄顔で良い。特に、マッティ・ペロンパーの不運キャラが様になりすぎていた。最後に流れる『雪の降るまちを』が素晴らしすぎる。

何となく『ル・アーブルの靴みがき』も含めて考えると、カウリスマキはフランス絡みになると自分の得意分野よりリスペクト優先でちょっとキレが落ちる気がする。ジャン=ピエール・レオがさすがなのは当然として、にしてもサミュエル・フラーとルイ・マルの面が良すぎる。