KANA

ブラック・ミラー: バンダースナッチのKANAのレビュー・感想・評価

3.8

気になってたNetflixの"インタラクティブムービー"。

interactive…相互に作用する; 対話型の, 双方向の
つまり観ている人の操作(選択)によってストーリーが変わる映画。
視聴中に画面下に度々選択肢が登場し、リモコンで主人公の行動を選択。
責任感じるし、やっぱり主人公にいい思いさせたいからただ漫然と観るわけにいかず、集中してストーリーを追わなければいけない。
これってまるでゲームだ〜。

そしてもともとドラマシリーズの『ブラック・ミラー』は未見だけど、見聞きするところによるとそのSFの世界観は大好物。ドラマも観ようかなぁ…

若きゲームプログラマーのステファンは、読者の要所要所の選択によって展開が変わる小説『バンダースナッチ』をゲームにしようと奮闘する。
その行方が私たちに委ねられる…という三重構造⁉︎
朝食のシリアルは"シュガーパフ"か"フロスティーズ"か?なんて、どっちでもいいよ〜って思うけど、これがバタフライ・エフェクトに繋がるんだろうなぁ。
1980年代の設定なので、ステファンたちにとったら私たちは未来人。
現実とパラレルワールドの境がわからなくなってきたステファンが自分を操ってる相手であるこちらに話しかけてきて、Netflixというものが何であるか彼に説明するところなんかはまさにinteractiveで不思議な感覚だった。

何回もゲームオーバー?を経て、でもいろんな展開を試したくなり、結局4〜5種類のエンディングを体験してしまった。
ステファン、いろいろとごめんね…笑

劇中のカリスマプログラマー、コリンが「実は俺たちもゲームのキャラクターみたいに何度も死んでは復活してる」みたいな事を言って、まるで私たちにあらゆる選択を煽ってる風なシーンがある。
これってもしかしたらこの現実世界でもあてはまることなのかも?
一見個人が自由に選択できるようでいて、実は選択肢の数なんて知れていてパラレルワールドに閉じ込められた存在に過ぎないという…
ゲーム的な遊び感覚なつもりが哲学的思考に陥るからくりがスゴイ。

新感覚過ぎて正当な映画と同じ次元で評価をするのは難しいけれど、好きは好き!!
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