未見だったノーランの長編デビュー作。
監督自身の監修によって修復され、25周年リバイバル上映ということで思いがけずスクリーン鑑賞。
作家を目指す男ビルは、アイデア探しのために街で目についた人を尾行・観察するという習慣を持っていた。
ある時うっかり尾行相手のコッブに気づかれてしまい・・
凄い…すでにノーランエッセンスがしっかり詰まってる!
時系列が複雑にシャッフルされてて、前半はわけもわからずジグゾーパズルのピースを一つひとつ拾っていく感覚。
このフェイズを踏んでの『メメント』だったんだと妙に納得した。
ビル
コッブ
金髪の女
ミニマルな人数にして、アタマの中で3人の関係性がアメーバみたいにどんどん変化し続ける。
たまらなくトリッキー。
ゴム手袋、箱、ピアス、人形、腫れた顔…等、ヒントになりうるようなカットをチラ見せしながら進むから、お手上げ!とならずにのめり込んでしまう。
終盤にかけて少しずつ前後がつながり、二転三転のサプライズ。
終わってみればしっかりロジカル。脚本に手抜かりなし。
どんでん返しという意味では『プレステージ』とリンクする。
パズルが完成してスッキリ。
あの人は最後まで不気味だけど…
予算、時間、人数の少なさを逆手に取って、センスとアイデアでこんなスタイリッシュなノワール調のミステリー・スリラーを作り上げてしまった20代のノーラン、やはり天才。
p.s.ドアに飾られたバットマンのマーク、見逃さなかった!
ダークナイトシリーズを撮るのはまだ結構先のはずなのに。
潜在意識か偶然か、フラグ立てちゃってるのもスゴイ。