このレビューはネタバレを含みます
笑いも恐怖も根っこは同じで、結局は「サプライズ」に尽きる。予想外のさらに一回り外を行くサプライズが次から次へと繰り出されるので、気持ち良く振り回された。ホント、展開読めない。
コメディ調のスリラーではなく、本格コメディにして本格スリラー。両極に振り切って戻ってくるのが斬新。前半の「見えてないフリ」でさんざん笑わせておいて、後半の「本当に見えなくなる状況」でとことんハラハラさせる。
伏線の回収方法が鮮やかさに欠けるというか、明らかに反則なので、今一つスッキリしなかったのが心残り。
あちこち跳ね回るイキのいい展開は「スガラムルディの魔女」を、インチキ臭い連中が次から次へと数珠繋ぎになっていく人間模様は「殺したい女」を連想した。
いずれハリウッドでリメイクされそうな題材だけど、貧富の差の描写や登場人物たちの底抜けなバイタリティーは再現できないと思う。