ノラネコの呑んで観るシネマ

宮本から君へのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

宮本から君へ(2019年製作の映画)
4.6
非常に暑苦しいw
令和の世にあって、池松壮亮演じる全身から昭和臭を漂わせる熱血青年宮本君が、大好きな蒼井優を守るため、幸せになるために闘う。
一方的な暴力ではなく、格好良さ優先の殺陣でも無く、泥臭くホンキの「男の喧嘩」を久しぶりに映画で見た気がする。
ここにあるのは全て生々しい本音の世界。
人間誰しもピュアな部分もあるし、打算的でダークな面もある。
本作はそれを綺麗なオブラートに包んだりせず、登場人物たちがダイレクトにぶつけ合う。
まるでスクリーンというリングの中で、2時間ずっと打ち合うボクシングの試合みたいな映画だ。
歯抜けの池松壮亮もハマり役だが、MVPは蒼井優。
これは彼女のための映画と言ってもいい。
全編絶叫芝居なんだけど、あの凄みを出せる人は同世代では他には思いつかない。
結婚しちゃったから、これだけガッツリした濡れ場は最初で最後かもしれないな。
R15も納得の濃密さ。
ディテールにややダイジェスト感はあるものの、宮本君の決意の物語としてバランスよくまとまっている。
オヤジたちの描き方とか、昭和臭過ぎて拒絶反応示す人もいそう。
そういう意味では、万人向けではないかも。
しかしあれだけやって、クビにならない会社も凄いな。
ブログ記事:
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