足拭き猫

よあけの焚き火の足拭き猫のレビュー・感想・評価

よあけの焚き火(2018年製作の映画)
4.0
蓼科の祖父の家で狂言の稽古をする親子を描く。実際の親子の狂言師なので半分ドキュメンタリー。

到着した日は雪がしんしんと降り、早春へと季節が進むにつれ光が強さを増していく。高原と昭和初期の家屋の整然とした構造や色味、金魚鉢や窓のガラスが脇役となり、作品全体に端正な雰囲気を醸し出している。

祖父の元で暮らしているという少女と動物の演技の練習をするところから、少年は自分は狂言をやっていくんだ、という思いに目覚める。一人で静かに語りかけていた金魚が命名される場面に喜びにあふれていた。