真田ピロシキ

エクストリーム・ジョブの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)
3.7
『はちどり』か『悪人伝』を見に行こうと思っていたのだけどどうにも重い映画や過度にバイオレンスな映画を見る気になれず予定変更。噂になっていたポンコツ捜査官達が張り込みのためにチキン屋を買い取ったらまさかの商売繁盛っつーコメディ。

期待を裏切らず冒頭の弁償代をケチって窓を蹴破らずに入ろうとして失敗→逃げた容疑者を追って玉突き事故発生の流れからしてとても笑える。店を開いてからも予想外の繁盛、本業を忘れてのめり込む、仕方ないからボッタクリ値をつけるも高級店として受け入れられてしまうという展開が非常にテンポ良く進む。これらの中に風刺等を含ませないのが特徴。この映画も結構暴力的であるけれど、それは尾を引かないのでちょっとしたスパイス程度。出血表現とかで盛れない分、アクション自体がバッチリ。あのヤクザの女の人は良いね。日本で話題になる韓国映画は社会的な関心を集めたり暴力性が評価される事が多いけれど、本作のように職人仕事に徹した口当たりの良い作品も評価されてるのは良い傾向だと思う。この映画はまさしく庶民の味チキンのようだ。こういうものの方が美味しくいただける時も多々ある。

終盤の実はみんな腕っ節は凄かったという展開は最初の冴えなさと噛み合わないようにも。何度も刺されてるとか伏線はちゃんとあるんだけど、それだけ凄いなら各々を適所に配置してれば活躍できてたのでは。あの署長がダメ説ある。韓国では運動部に入ったら忍耐を鍛えられる」と言って元野球部が攻撃に耐えてるのを見た時は体罰やイジメを連想して引っかかった。最後のコ班長もゾンビと言われる人らしいと言えばその通りなんだけど少ししつこかったかな。それと店は閉めたんだろうか。警察辞めてチキン屋に専念した方が絶対幸せになれると思うんだけどなー特にあの2人は本当に夫婦になれそうだし(笑)