Hana

ロマンスドールのHanaのレビュー・感想・評価

ロマンスドール(2019年製作の映画)
4.0
すごくいい意味で期待はずれで、奇抜な設定に裏切られた、めちゃくちゃ普遍的な夫婦の愛のお話だった。

愛を「営む」ってこういうことなんやなあ、と。へんに疑ったりせんでいいんだって。
愛しているから、とか、愛しているのに、とか、愛してないけど、とか、とかく私たちは愛と性を一緒くたに語るし、そうしない訳にはいかないけれど。
セックスの最中に囁かれる「愛してる」こそ信用できんことはないと思っていたのは私です。

セミの泣き声が象徴するもの、生きること、尽きること、根源的な生、性、それはつまりsexだし、そしてそのシーンはセックスを凌駕した生命の行為だったし、その全てを受け止めようと寄り添おうとする行為はすなわち愛であった。
こんなにも泣けるベッドシーンがあるだろうか、いや、ない。(反語)

てっちゃんのモノローグが、なんだか慣れない小説を書いてる人って感じのがよかったなあ、永遠って言葉が最もふさわしい気がした、とか。

クリーンすぎてリアリティのなさみたいなのが、大人の童話感を加速させてる。
新婚なわたしからすると、そんな素敵なお部屋やのに園子働いてなさそうだし、あれ?さてはドール職人て結構お給料いいのかな??とかいう邪念がわかなくもなかった。愛だけで一緒にいられる訳でもないのが夫婦やと思うんですのよ。なんて、旦那を横目にイヤホンもせず蒼井優と高橋一生の営みを鑑賞したのでした、ちゃんちゃん。
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