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イン・ザ・ハイツのkarmapoliceのレビュー・感想・評価

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)
3.0
In the Heights:ジョン・M・チュウ監督、リン=マニュエル・ミランダ製作、原作、音楽、アンソニー・ラモス、メリッサ・バレラ出演、2021年作品。2008年にブロードウェイで上演されたトニー賞13部門ノミネートのうち作品賞、楽曲賞、振付賞、選曲賞の4部門で受賞した同名ミュージカルが元になった作品。

最高!今年一番のミュージカル映画だ!と言いたかったが、あまりハマれなかった(苦笑)!

凄い大好評に期待があるものの、よく知らない監督に、全然知らないキャスト達。しかもヒスパニック系の若者の移民問題を扱った物語で、音楽もラテン系のサウンドが中心らしいと言う前情報。ちょっと馴染みの薄い部分かな?と思いつつ、原作と音楽の作者であるミランダ氏はプエルトリコ出身で、この映画の舞台でもあるニューヨークのマンハッタンにあるワシントン・ハイツで育った人らしい。

個人的にプエルトリコ出身の特に好きな音楽家は、90年代に活躍したDJ&プロデューサーのマスターズ・アット・ワークくらいだろうか。彼らはハウス・ミュージックの王者だったが、基本的にプエルトリコの音楽と言えばサルサだと思う。この映画も基本的にはサルサがベースになったサウンドが殆どで、ノリノリもバラードもすべて情熱的な熱唱ばかり。歌もダンスもメチャメチャ上手いのは間違いないのだけど、個人的にはあまり馴染めないのが正直なところ。地球の裏側の日本でも意外と好評なので、凄いなと感心させられそう。特別苦手な曲も無いのだが、好きな1曲、好きなメロディにも出会えなかったのは残念。

ジョン・M・チュウ監督は、「ドゥ・ザ・ライト・シング」からインスピレーションを得たと語っているらしい。かつてWASPの目線から語られたニューヨークの物語は、スパイク・リーによってアフロ・アメリカンの視点から語られるようになり、さらにそこから30年近くの時を経て、ラテン・アメリカンの視点から語られる作品を目指したのだそうだ。そう言われるとエンターテイメントに、現実の社会問題を落とし込む事にはある意味成功しているのかも知れない。

カラフルだけどややケバい感じの映像。

古典的なサルサのサウンドに自然と乗せられたラップは、けっこう格好いい部分もあったと思う。新しいタイプのミュージカルではあるかな?!
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