60年代の公民権運動を背景に、作家志望の白人女性(エマ・ストーン)が黒人メイドにインタビューし本にするまでの物語。
白人の上流階級のお宅が舞台で、そこには黒人メイドたちが働いています。白人マダム達は彼女らメイドに家事をしてもらい、子育ても押し付けてカードゲームに興じている。エマ・ストーンとジェシカ・チャステインは彼女らに理解があるんですが、他は基本的にクソみたいなビッチどもです。
このビッチちゃんらのリーダー格がブライス・ダラス・ハワード演じるヒリー。彼女は黒人用にお外にトイレを作るザマス!同じトイレを使ったら病気に感染するザマス!とアホらしい法案を作ろうと血道を上げとります。この女はホンマに憎たらしいので見事な熱演ですなぁ。
でもこの時代は女は結婚して子供を産むべきという風潮がある。仕事に生きようとするエマ・ストーンなんか白い目で見られている。前時代からの悪習が支配している南部の閉塞的な空気感や世間体のせいかも知れません。こうやってみると古き良きアメリカってクソみたいな一面もありますな。
もちろんそんな事は被害者たる黒人たちには関係ありません。彼女たちは常に白人たちの視線に怯えてある種の諦めの中で暮らしている。
「汝の敵を愛せよ」って聖句。時に弱者には呪いの言葉なのかも知れない。
黒人女性の中でもミニーってゴッツイ女傑がいて、ヒリーへの反撃が中々に面白かった。高慢ちきなヒリーちゃんが酷い目に遭う度に笑えます。
そいやエマ・ストーンとブライス・ダラス・ハワードは共にスパイダーマンでグウェン・ステイシーを演じた経験がある。アメコミ映画ファンにはその対決って視点でみても面白いかも?
あ、「スーサイド・スクワッド」のアマンダ・ウォラー(ヴィオラ・デイヴィス)もいますな。
重いテーマを扱ってますが、ユーモアを忘れずに進行していくのでまだ見やすいかと思います。現実でも黒人たちに酷い扱いをしていると例のパイとか密かに仕返しをされてたんちゃうかな?と妄想するとちょっと愉快になります。