ぐりこ

王様になれのぐりこのレビュー・感想・評価

王様になれ(2019年製作の映画)
3.5
ピロウズ30周年記念の映画、いや~よかった。思ってたよりもかなりよかった!
しかも、偶然トークイベント付きの回という幸運♪

お話自体は王道ど真ん中でシンプル、ピロウズ好きでない人には少し物足りないかもしれない。でも、ピロウズ好きの私からすれば、とてもよかった。曲の使い方がうまくて、しかもそれぞれの曲の芯を捉えていたし、何度か出てくるライブシーンが当然いい(ピロウズ以外も)し、役者さんたちの演技もよかった。何よりもピロウズ愛が詰まってた。

それもそのはず、オクイ監督はもともとさわおさんと親交のある舞台監督兼役者でさわおさんからオファーしたそうだし、ユカリ役の後東ようこさんも元々ピロウズファンの舞台役者なのだそう(トークイベントより)
なるほど納得。
他にも舞台畑の出演者、スタッフも多かったようだけど、映画としてきっちり成立していて、そこは監督以下チームとして力量があったのだと思った。
特に、登場人物に語らせてはいないけれど、バックで流れるピロウズの曲を知っていると祐介やユカリの心情がわかってくる仕掛けはよかった。
・・・とまぁやはりピロウズ好きにはおもしろい、そうでなければ全部は伝わらない映画なのだと思う。


内容に関しては、祐介のうまくやれなさが共感しやすい。下手こいて叱られて、やり方変えたらもっかい怒られて...てやつなんて「わかる~」と思わざるを得ない。別に共感したくないけどね(笑)
最後、念願叶ってピロウズのライブ撮るところ、ライブに感動してるような、それにのまれないように抗ってるような、ファインダー越しにピロウズと戦ってるような、、、ぐわーっと感情渦巻くクライマックスシーンだった。どういう感情をイメージしたのか監督や役者に聞くのも野暮って感じ、たぶん全部だ。


あとは、雑感。
・虻川師匠はかっこよかった。上司になってほしい。
「人の人生を雑に扱いたくない」とか「ピロウズはピロウズ好きなやつに撮らせたいじゃないですか」とか、セリフがイケメンすぎる。
・写真展にきたユカリの「久しぶりじゃないか」もよかった。久しぶりの再会にはしゃいじゃいそうな感情を、年上としてぐっとこらえるお姉さん、なんだと思う。

・最後に劇中のライブ写真、いいなと思ったら塁さんの提供だった。なるほど納得2。
・余談だけど、劇中で虻川師匠とさわお氏が祐介の写真ダメ出ししてた点(これじゃ主役はバンドじゃなくて君じゃないかって)、この感じどこかでみたと思ったら、最近ライブ写真を販売してる某Showcase Printsの三吉ツ○サの自己満写真じゃないか、と思った。被写体が主役じゃなくなっちゃってるやつ)
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