ぐりこ

花束みたいな恋をしたのぐりこのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.6
なんともぶっ刺さる作品であった。
何しろ自分と重なる部分が多いし、まじで近所。自らを顧みまくってしまったし、ラストはツラかった。
(後日友人に「刺さりすぎて死んでない?」と心配された笑)

明大前で運命的に出会った麦(菅田将暉)と絹(有村架純)。そのまま調布まで歩く…だいぶ遠いよ?
その道すがら語り合って、意気投合。当然のように付き合い、多摩川沿いに同棲を始める。幸せな時間がずっと続けばよかったけれど、ね、、、

残念ながらこの物語の男女は、些細なすれ違いからケンカが増え、その中で決定的なズレを見つけてしまい、別れを迎える。変わっていった麦と変わらずにいようとした絹、趣味つながりから付き合った男女が、程度の差はあれみんな通る道をきれいになぞっていく様にはけっこうダメージを受けた。

「人生の勝算」とか読むようになった麦は、僕も苦手な人種。絹の気持ちはよくわかる。
それに対して麦が語る未来像の儚さよ…


ストーリーもさることながら、あちこちに散りばめられたサブカル要素は良し悪し、かなぁ。
天竺鼠に始まり、押井守、cero髙木、きのこ帝国、Awesome City Club、羊文学、長谷川白紙、崎山蒼志、早稲田松竹、下高井戸シネマ、ベイキャンプ、、、

これでもかと散りばめられたサブカル要素は、うまくハマっていけばいいけど、途中で辟易したり胡散臭く感じてしまうかも。

坂元裕二はどこまで、現代のアーティストの音楽を聴いてるだろう。「こういうワード並べとけばエモいだろ?」て思ってたらやだなぁ…ひねくれすぎかな。

きっと僕だけじゃなく、たくさんのサブカル好きを良くも悪くもぶっ刺した映画だったろうな。
ぐりこ

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