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窮鼠はチーズの夢を見るのsacoのレビュー・感想・評価

窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)
3.5
流されながらの恋愛に身を置いていた男が、大学時代に自分を好いていた後輩の男と7年ぶりに偶然会う。

かなりリアルなセックスシーンに、初めは気持ちが引きそうになったが、もの語りが進むにつれて、ふたりの恋愛に引き込まれていった。

愛する事の胸の痛み、幸福感、嫉妬やどうしようもできない自分の感情、そんな切なさは、男女であろうが、同性であろうが関係ない。

改めて、そう思う。

関ジャニの大倉くんかぁ、なんてちょっと軽い気持ちで観たら、その自然体の演技に恐れ入った。成田凌は言わずもがな。。。
ストレートの主人公恭一(大倉忠義)が、少しずつ陸(成田凌)に傾いていく複雑な感情と、恭一を愛した陸の苦悩を巧みに演じていてどちらも凄い。

「愛する人は、全てのことに特別の存在になる」的な言葉がとても印象的。恭一にとって唯一陸だから男でも構わない。

画面のトーンも良かった。
女性2人もそれぞれの気持ちがよく伝わって、程よい刺激になってると思う。

夕暮れの海のシーンと、ラストで淡い光の中、部屋の高椅子に座り待つ恭一の表情が印象的だった。
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