勝つことが誇りじゃなくて、
完璧を追い求めることが誇り。
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遅ればせながら劇場で鑑賞。
評判通りのオヤジ・クリスチャンベイルの圧倒的演技に、もはや安心する。
特に奥さんに泣かれる場面と決戦前夜の表情は正に自分ごとのように迫ってくるし、何より猫背とギョロ目とチョンボ口が印象的。なりきるなぁ、ほんと。
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1960年代のカーレース。
ロックンロールとの相性が良すぎて思わず笑う。
女性がチキボンチキボン言ってる曲は『Pork Salad Annie』。劇中はJames Burtonバージョンだけど、YoutubeでElvis Presleyのライブアクト見られて、めちゃくちゃクール。20世紀のアメリカ大衆文化が何であったのか、
この映画を見れば肌で感じられる。
エンジンのうねりは
そのままドラムでベースでエレキギター。
この痺れる浪漫を、どこに置いてきたんだ?
なんで今でも響くんだ?
その時代を生きていなかった僕たちに。
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ケン・マイルズの『完璧なラップ』はそのまま哲学であって禅であって、ゾーン体験に入るほどの深い集中と無条件の慈愛は、一人の人間の器には収まりはしない。
こういう話を聞いたことがある。
曰く、プロのピアニストは演奏会の最中で、時間が消えていく感覚を覚えることが稀にある、という。
深いゾーン。
それは、まるで時間と空間の座標軸に決められたように指を置いていくだけに感じられる瞬間だという。
もしかしたら、その時彼らには
多幸感と深い慈悲が
訪れているかもしれなくて。
それをケン風にいうなら、
本当のH-A-P-P-Yっていうことだろうな。
事故で死にかけた後、
同時ゴール詐欺の後、
ケンが見せたPrideとDignityを
間近で味わえるのなら、
それもきっと幸せに違いない。
シェルビーが羨ましい。
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7000RPM、
アクセル踏み切った後に
グイッと加速していく感覚と
ロックンロール。
痺れた。
個人的には『Ferrari Factory』っていう曲も好きでした。
5/4拍子。
気持ちよい!