ぴのした

DUNE/デューン 砂の惑星のぴのしたのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
3.9
期待以上の面白さだった。ヴィルヌーヴだし、スターウォーズ的なものを一切期待してなかったけど、思った以上にスターウォーズ寄りのエンタメ作品。

帝国だの大貴族だの、砂漠の民だの救世主だの、どこかで聞いたことある設定だけど、それくらいが分かりやすくて良い。主要人物が続々と退場していくのも切なくて感情移入させられた。

父親、領主なのに一般兵の救助のために躊躇せず自ら危険な砂漠に降りるのもカッコいいな。めっちゃいい人。最期も完全にうまくはいかなかったものの、奥歯の毒霧でデブに一矢報いるシーンがあったのも良かった。

王道の展開の面白さもさながら、ヴィルヌーヴ映画に求めたくなる美術センスも存分に楽しめたのが良かった。

幾何学的な建物や飛行物の美しさが、無色で無機質な砂の大地に映える。砂虫のデザインや、ホバリングで飛ぶ羽虫のような小型飛行機の実用的な造形も洗練されていて美しい。

砂虫の襲来も、振動による砂の液状化から始まるのがリアルで恐ろしかった。こういった一つ一つの細かい世界観の練り上げが、SFをSFたらしめる。

これからどうなるのか、2作目が楽しみだ。