のっち

ペトルーニャに祝福をののっちのネタバレレビュー・内容・結末

ペトルーニャに祝福を(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

一神教への反抗がテーマの映画は大好き

チラシにもあるように人を真ん中において左右非対称の背景を置くことでキリッとした画面が特徴的。三位一体や宗教画を狙ってるみたい。
さらに顔へのフォーカスが強く、その人の心情が身に刺さる撮り方で、とりわけペトルーニャの目力は圧巻。あまり多くは喋らないものの、目の動きだけで恐れや怒りや強さを表す彼女の演技は素晴らしい。
テーマとなるのは、キリスト教と男性優位社会における法律と女性の地位。これに歴史を学んでいたという彼女の背景がだんだん効いてくる。北マケドニアだからってアレクサンドロス大王ではなく、中国革命の民主主義と共産主義の共存がこの話の解決として語られる。ペトルーニャがラストで語る「これはあなたや、あの男たちに必要だから」というセリフ。権利を勝ち得た上で放棄するというカッコよさがたまらん。
のっち

のっち