まさに英雄の名に相応しい。
旱魃で飢饉に襲われた村に風車で水を引くことに成功した少年の話。
"ダイナモが欲しい"
"ダイナモがあれば水を得られる"
絶対にみんなを助けることができるという信念が、その眼差しとなって強く心に響く。
本当に絶望的な状況なんです。
旱魃のせいで、農家である主人公の家でさえ家族を養う量の収穫が得られない。
村人も限界を迎え、主人公の家にわずかに蓄えられた食料を略奪していく。
少年は元からラジオを直したりできる工学的な素養があって、さらに学校に通って勉強してたから、ダイナモの有用性に気付いて村を救う方法を思いついたんですけど、周りのみんなは懐疑的なんですよ、理解出来ないから。
それでも少年は諦めずに図書館で調べた知識を頼りに、ときには周りを説得して動かして、風車を完成させる。
そして村を飢饉から救うんです。
これって現実ではとてつもなく難しい。
英雄的行為だと思う。
仕事をしてるとほんと新しいことをやるのは難しいなって思いますよね。
周りの協力が必要であれば、なんとかして動いて貰わなければならないし。
絶対に必要なことではない(と多くの人は思う)から、余計な仕事増やされたと思う人もいるだろうし。
なんで僕は自分にとって大した得でもないのに、みんなに苦笑いされながらこんなことやってるのだろうとへこたれそうになることも一度や二度じゃないですよ。
でもこれから先絶対必要になると思うから歯を食いしばってやっていこうとしているのですけど。
まあ、この映画みたいに画期的で決定的なことをやってるわけではないんですけどね笑
そういう心境をずっと抱えてたので、すごく感情移入してしまいました。
あの危機的状況を脱した時のみんなの笑顔、すごくよかった。
"先祖たちは雨乞いの祈りをしていたけれど協力したから生き延びた"
"我々はいつ協力するの"
少年のお母さんが聡明で、少年を陰ながら支えていたのがとても印象的だった。