21世紀となった現在でも、地球は平面であると信じる人たちがアメリカにはたくさんいる。彼らの活動を追ったドキュメンタリー。当然陰謀論者ばかり出てくるわけだが、実質的な主人公のマークっておっちゃんが割と良い人っぽい（気さくだし、自分たちが周囲からどう見られているかについても結構冷静に分析している）ので、あんまり不快感なく観られる。エンジニアチームが（意外とちゃんとした）実験を行った結果「地球は丸い」と証明されてしまい戸惑うシーンや、サークルの姫みたいに祭り上げられたおばちゃんがアンチからCIAのスパイ呼ばわりされて「そんなの証明しようがないじゃない！」と愚痴る場面など、時おり彼ら彼女らが現実に立ち戻りそうになる一瞬があってなかなかスリリング。今をときめく（ときめかないで欲しい）反ワクチンコミュニティなんかも、まあ似たようなものなのだろうな。地球平面説よりも数倍、社会に害を及ぼしそうだけれど。
