しの

サイダーのように言葉が湧き上がるのしののネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

友人が趣味で俳句を始めてから、何となく季節の言葉は意識するようになりましたが、辞書を持ち歩くという考えは浮かばなかったため、今よりも四季を身近に感じるために私も日常から意識してみようかなと思いました。

絵にちりばめられた文字。
季節と同じく、湧き上がった目には見えない言葉が実際に見えていたらなんて素敵なんだろうと思いましたが、まさか実際に見えていたとは…。そしてそれが実現すると犯罪になるとは…世知辛いなと。

「忘れたくない思い出せない」
誰かのその思いを大切にできる人。
幸せがずっと続かないこと。

2人のもどかしい青春さ、手や視線の動き、ゆきさんの純粋さと周りの友情。なんだか忘れていた大切なものを思い出すかのようでした。

2人のコンプレックス、行動がリンクし繋がるテンポの良い絵が見ていて気持ちが良かったです。

歳と若さを明確に感じさせる書き込みもなるほどという思いです。部分的に適当な作画と感じる方もいるかもしれませんが、私はコミカルでポップな色使いがとても可愛いと思いました。

使い方にもよって悪用もできますが、やはり今の時代、情報の多さは武器になるなと。

ふじやまさんがいつも探していたレコードを今になり真剣に探し始めるのは何故なのか…レコードを割と鷲掴みにするな…という疑問はあるもののフィクションのうち、ラストの伏線回収は個人的には好きな終わり方でした。だいぶ恥ずかしいけれど、その甘酸っぱさがこの2人にはあっている。

私もこれからゆきさんのように「可愛い」の直感を。ゆいくんのように「思いに真っ直ぐ」な言葉を使っていこうと思います。
しの

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