あにょま

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコのあにょまのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

すみっコぐらしは私が中学生ぐらいのとき一時物凄く流行していた気がします。映画を観てもキャラクターのビジュアルや動きが愛らしくてしゅうし「うふふふ」とやさしい気持ちで見ていられる映画でした。ストーリーとしては男性と女性、二人のナレーションで進行していきキャラクターは喋ることはなく、ひらがなの字幕で漫画の吹き出しのようにして喋っていました。
ストーリー内容は一番最初はキャラクターと世界観の説明がされていたため初めてすみっコぐらしを見る人にも優しいモノになっていると考えました。そしてストーリの内容は有名な絵本の物語が出てきてそれをすみっコたちが演じているのがほかほかする感じで愛らしかったです。加えて、すみっコたちがストーリーの中の絵本の人物を演じていく中で天の声のような存在のナレーションにちょっとだけ無理やり風と言いますか、観念的に迫られているのは「ププっ」と笑いそうになりました。絵本の物語もそのまま描くだけではなく、すみっコたちの性質、性格や願望とかも入れているストーリーでしたので絵本としての良さ+すみっコのホッコリが合わさってとても良かったです。
演出の面ではイラストはとても優しいタッチで描かれており、本当に子供向けの絵本を映像化したような作品になっていました、しかしそのようなタッチの中でも絵本のストーリーや映画の進行を進めていく上での要素は逃さずに細かく描かれていたので素晴らしいと思いました。幼児向けなのかカット数も少なくじっくりと作品を鑑賞できるように仕上がっていたと考えられます。加えて、すみっコたちが絵本の世界に入るシーンでは目で見ても「飲み込まれる!」というのがわかりやすく表現がされているのが良かったです。そして、絵本の世界に入ったという設定を生かすために”破れたページの隙間”を他の空間への扉にしているのは斬新だけれども可愛らしかったです。
ラストのシーンでは灰色の鳥の子が「みにくいアヒルの子」だと思っていましたがそうではないと説明すりことで一度オチがつけられていたのでストーリーの組み立てもわかりやすいながらも綺麗に整頓されていた印象です。そしてすみっコたちが絵本の世界から出て行った後に灰色の鳥が寂しくないように空白のページに新しく命を吹き込んでいる場面はとてもほっこりし、児童向けとしては最適解な気がしました。