あにょま

プロメアのあにょまのネタバレレビュー・内容・結末

プロメア(2019年製作の映画)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

なんだか日本ぽく無い色を使っているアニメーションだなと思いましたがストーリーの内容はジャンプ系だったので親しみやすかったです。加えて私の頭が腐っていたので主人公と敵キャラの絡みが最高でした。以下詳細

 初めは主人公と敵という勧善懲悪の形でストーリーが進行していきます。消化会社に勤めるヒーロー的存在のガロが放火魔(バーニッシュ)であるリオを捕まえるところがストーリーの導入です。最初の方はロボット系ヒーロものかと思う場面が多々あります。実際にガロが所属するグループの車両や消化装置の変形シーンなどはとても細かく色彩豊かに描かれています。対してバーニッシュであるリオの方のグループは暗めの色合いではありますが蛍光色とうまく組み合わせてモビルスーツ?などを描いていました。

 そして作品の主題でもあるプロメアは、炎=魂として描いているのはとてもいい発想だと思いました。なぜなら「闘志を燃やせ」と言うのを具現化してわかりやすく表現をしているため子供も見るアニメーション作品としては捉えやすいと考えたからです。ただこの設定は新世紀エヴァンゲリオンにも似ている部分というか共通項があるとも考えます。(ロボット、心の声等)。作品のストーリーが後半に近づいていくにつれて「正義とは何か」や「差別についてどう接するか」というのが大きく問われていきます。
 最初は主人公ガロの命の恩人である市長が本当は全ての黒幕であったというのはナチスドイツのヒットラーみたいだなとも思いました。一番印象的であった場面はリオが抜け出しガロと対峙したシーンでガロが「お前らも飯を食うのか?」と質問した答えにリオが「当たり前だ、俺たちも同じ人間だ」と回答をしたシーンです。この言葉からこの映画のストーリーの中でバーニッシュがいかに人間とかけ離れた存在の害獣として扱われていたかがわかると同時にガロの心が動いていくシーンともなります。しかしながら政府の圧力などが赤裸々に書かれていたシーンは戦闘シーンに比べて少しおざなりになっていたのが残念でした。加えて私の場合はBLドラマも嗜むのでリオの声に違和感を抱くシーンは少なかったですが所々気になる部分があったので注意して聞かなくては行けないとも思いました。ラストのシーンではバーニッシュはプロメアとの繋がりが消えて誰も彼もが同じになったという終わり方に私は少し不満でしたなぜなら、現実世界に置き換えて考えた時に認められている方に揃えれば良いという思考に落ち着いてしまうと考えたからです。

 演出の面では音響はとても素晴らしく、機械の動作一つ一つや炎の吹き出る音の強弱がされていてとても良いと感じました。しかしながらカメラワークに関しては視点がコロコロと変わっていったので人物への集中がしづらかった印象があります。音楽のセレクトも良く、戦闘シーンのBGMもあまりつけすぎない形であったり無音のシーンもきちんとあったのでそこのバランスはしっかり整えられていると考えました。