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SKIN 短編のrollinのレビュー・感想・評価

SKIN 短編(2018年製作の映画)
4.5
THE
HATE
WE
GIVE

至高の短編。
恐ろしいのは、これが2年も前に公開されているにも関わらず、レイシズムがヘビロテしてるアメリカの現状。2003年には既にアメヒスが、2020年にはTHUGも存在していたというのに。バナージ‥、悲しいね。

Nazi white trashな一家の肖像。
もうこれはアメリカだからとかの問題じゃない。南北戦争以前、いや、人類が自意識というATフィールドを発現させるよりはるか太古の、ビッグバンで放たれた膨大なエネルギーが保存されたまま、今日も互いを傷つけることに奉仕してる。ひょっとして宇宙が膨張し続ける限り、このヘイト合戦は失くならないの??

短編ながら、彼らの生活様式、(子供の目線からの)良き父親像の切り取り方が秀逸。何ならファイティング・ファミリーの一家と何が違うの?とすら感じるし、観客が感情移入するギリギリのラインを攻めるのがめちゃ巧い。蛇、ミルクウォッシュといった、テーマに対して効果的且つクライマックスに響いてくるモチーフのさりげない配置も抜群。

猟奇ホラーな雰囲気さえ湛えるクリエイティブ・リベンジ自体は、名作『ベルフラワー』
や、レフン監督の『ブリーダー』と同系統の南條範夫的なナチ道残酷物語。不謹慎を承知で言うと、シンプルにめちゃくちゃおもろい。

アメリカの状況を受けて、最近色んな映画で勉強してきたけど、いよいよ来週から公開される長編が、僕にとっても非常に重い楔になるであろう覚悟は出来ました。カルチャーの意義って何ぞや?向き合います。
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