空海花

巡礼の約束の空海花のレビュー・感想・評価

巡礼の約束(2018年製作の映画)
3.5
気になっていた企画で新作を
「仮説の映画館」にて。

チベット人監督のチベット映画。
妻が突然 聖地ラサへ巡礼の旅に出たい、と言い出す。
妻は夫家族と暮らしていて義父の介護をしている。介護があるので夫に託し、独りで行く。
前夫との間に居る子供は妻の実家に。
複雑そうだが介護が大変とかそういう理由ではない。
やっぱり心配で、彼女を追いかける夫と息子。

日本は仏教に少しはなじみがあるが
チベット仏教は厳格である。
山々に囲まれ過酷な生活をしていくのに
厳しい宗教が心を支える。
五体投地とは、途方もない苦行だ。
それでも生活に根付いていて
お接待の文化にほっこりする。

チベットの山々の景色になぜか妙に親和性を感じる。
私のニックネームには海が入るけれど
どちらかというなら山派かな。
空と海と山が見えたら最高なんだけれど
名前としては何だかね(笑)

聖地巡礼は四国のお遍路を思い浮かべる。
今でこそツアーの向きが否めないが
ルーツは同じはず。
途中、バスが通る。
だからバスでも行ける。
五体投地は最も丁寧な祈りらしい。

言葉少なな嫉妬の描き方が素敵だ。
まぁ実際問題は別として(笑)
物語ならば間を楽しみたい時もある。
何かここにアジアを見出す。

やり残したこと。
私の場合は、何だろう?
いっぱいあるとも言えるし
ある意味全然ないとも言える気がする。

祈りとロバと共にするロードムービー
忘れたものを思い出させるような
なぜか自分の和の心をくすぐってくる不思議な物語。
祈りとロバがキーなのだ。
多くは語らない映画。
閉じ方が良かった。


仮説の映画館を初鑑賞。
気持ち劇場に行ったような仕掛けが嬉しかったです。
ヤスミン・アフマド監督の名作「タレンタイム~優しい歌」もやってます。
新作を自宅で観られる企画は劇場が開いてからもやってほしいと実は思ってます。


2020自宅鑑賞No.4/72


ミニシアターを応援したい!その2
仮説の映画館
http://www.temporary-cinema.jp/
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