次郎

ラストナイト・イン・ソーホーの次郎のレビュー・感想・評価

4.0
あのエドガー・ライトがホラー映画を!と一瞬驚いたけどよく考えたらデビュー作はゾンビ映画だった。コメディだけど。前作『ベイビードライバー』で最高のハリウッドデビューを決めた一押し監督の最新作は、思った以上に監督の特色は薄めだった。
ジャンルとしてもホラーというよりサスペンスであり、更に言えば性的搾取について正面から向き合った作品でもあった。『クイーンズ・ギャンビット』の印象も強いアニャ・テイラー=ジョイは最高に画面映えするなと思うと同時にこういう被害者役も最高に似合っているという難儀さも感じでしまう。過去作では80年から90年代にかけてのロックを中心にセレクトしていた選曲も、本作ではKinksを守り神とした60sが大部分でいつになく真面目なチョイス。編集の巧みさもあってか鑑賞中はかなり引き込まれてしまったのだが、監督の個性を抑えつつも完成度の高さには唸らされてしまった。ほんとこの人の作品は画面を観ていて飽きるタイミングがないんだよな。
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