ふぇりな

アザーズのふぇりなのネタバレレビュー・内容・結末

アザーズ(2001年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

なるほど、こういうオチでしたか…。予想はつかなかったものの、言われてみれば確かに、という納得感はありますね。伏線の張り方のうまさに、あとから気付きました。

例えば、戦死した人の霊はどこに行くのかと聞いた時、グレースは「立場による、パパは英国軍だから善の側」と答えたものの、アンは「どうして分かるの?」と疑問を持ちました。これって、「生者と死者が交わる」この家で、ビクター達家族が幽霊の側だと思い込んでいた彼らの立場を、暗示していたような気がします。

結局、彼らがいる今の場所は、どこなんでしょうね…。リンボなのでしょうか。ただ、日本の感覚でいうと、地縛霊に近い感じがします。自殺者の霊は、無間地獄に落ちるとも聞きますし、彼らが生きているかのように感じてなおもがき続ける様は、無間地獄にも近いかもしれません。宗教は違えど、意外と概念は似通っているんでしょうか。不思議ですね。

ところで、かなりキリスト教色の強い作品なのに、トム・クルーズが製作にかかわっていたんですね。当時はまだ今の宗教じゃなかったんでしょうか?それとも、否定的な感情があったから、こういう作品になったんでしょうか…。余談ですが、そんなことも考えていました。

しかし、ニコール・キッドマンは錯乱した演技がとても上手いですね…。初めからいい意味で違和感のある、妄信的な恐ろしさを見事に表現していて、彼女の演技力で成り立っているような作品でした。

正直なところもうひとひねりくらいほしかったですし、テンポも悪くてもう少し短くても良かったかなとは思いました。
ラスト、グレースたちの家族は、神の哀れみのおかげ、と、この状況を救済の一つのように考えていましたが…私からすると、死してなお同じ場所で生き続けるなんて、滅法御免ですね。絶対に嫌です。笑
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