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ささやかな墓地のkyokoのレビュー・感想・評価

ささやかな墓地(1989年製作の映画)
3.8
モスクワの墓地を舞台に墓堀人の人生を描いた物語。

弟に斧で斬りつけられたヴォロベイが、入院していた病院を裸足で抜けだし、墓地の管理事務所に駆け込むところから始まる。
どうやら近々検察に出頭しないといけないらしい。
頭のケガと出頭が関係あるのか説明はないし、結構な数の墓堀人の顔と名前を一致させるが大変だし、墓堀人は墓を掘るだけじゃなくて各自「客」を持ち墓石まで担当するという馴染みがないシステムだったりして、なかなか話が見えず入り込むのに苦労した。彼らの会話の中でヴォロベイの過去がちょっとずつ小出しに明かされるので気が抜けないのにちょいちょい寝オチしてたので大事なところを見逃した可能性大。
裁判は「そうだったの!?」という内容だったけど。

墓堀人として有能だったヴォロベイはケガが元で難聴になり酒も飲めなくなった。クーチャという親友はいるけれど、内縁の妻はいまだアル中、息子も障害があるらしい。あげくデカブリストの記念碑と違法な墓をめぐって全員クビの危機をひとり被ることになる。
不幸なことしかなかったような人生。
それでも最後は自分の墓場に入ることができたら、泣いてくれる誰かがいれば、それだけで幸せなのかもしれない。


深く掘った穴に棺桶を入れる工程がなかなかにスリリング。

クーチャが犬たちをかわいがる様に癒やされる(花飾り超かわいかった)。懐に入れてた仔犬も完全に熟睡してたし。飼い主と同じお墓に入れてもらった猫もよかったね。
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