Sachika

ミッドサマーのSachikaのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ダニーは両親と妹を一家心中で亡くし、嘆き悲しむ毎日だった。
そんな時彼氏のクリスチャンが、友人のペレの出身地である、スウェーデンの奥地・ホルガ村で行われる、夏至祭りに参加するために旅行に行くことを知る。
それは90年に1度の特別な祭りだった。
ダニーはクリスチャンに依存気味であり、また旅行初日はダニーの誕生日だったため、友人たちの旅行についていくことにする。

白い衣装、のどかな村、美しい花々と、温かい人々。
ダニーたちは快く迎え入れられ、祭りを楽しむ。
しかしそれは徐々に平穏な空気ではなくなり、死、失踪、嘆き、悲しみと共に、驚きの結末へ。


聞いていた通り、恋愛と失恋の映画だった。
失恋したら一緒に泣いてくれる人が欲しいし、誰かに同調してほしい。
みんな同じ。
そうか、この村では共感してもらえて、一緒に悲しみを分かち合ってくれる。
だから幸せなのか、と最後のダニーの笑顔を見て思う。
儀式の美しさの中に、どこかずっと不穏な空気が漂っているのに、何故か幸福を探してしまうし、彼らは風習を信じきっていて、とても幸福に見える。
それが虚構であるとも知らずに。

人間の一生を春夏秋冬に例え、冬が終われば人は命を終え、新しい命に名前を譲る。
死は喜びでも、新しい旅への出発でも何もなく、痛みも恐れも悲しみもある。
それが一種の洗脳によって、彼らはそのことを知らない。
知ってる人もいるのかもしれないけど、風習として彼らはそれを当たり前にするのだった。

全て偶然(ダニーがメイクイーンになった事とか、家族の死とか)でもなく、何かしらの意図や計画があったんだろうなって考えて、考察すると楽しい。
この祭りには9人の生贄が必要で、村から4人、旅行者から5人が選ばれたけど、クリスチャンとのセックスで生まれた子供だけでは村の繁栄には足りないし、近親相姦はタブー。
このままダニーも村の住人になって、ペレあたりの子供を産むんだろうなあ。

ほかの方の考察も読んでおお!って思った事だけど、ダニーは村に来た初日に誕生日を迎えるんだけど、そこで26歳になるらしい。
それが人間の年齢の夏の時期であり、ちょうど26歳は真ん中(ミッドサマー)と言うのを読み、鳥肌でした。
Sachika

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