出獄後を中心に描いているので下降線を辿るストーリーは重く暗いものになっている。
本作では原題からも分かるように童話「幸福な王子」をストーリーに絡めて同性愛を中心に持ってきている。
童話を上手く使っているところは良いのだが、どうもこのおっさん同士の愛情というのがネックで、感情移入は無理。
性的趣向は人に迷惑をかけなければ勝手にしてくださいと思うが、今作のように「昔は酷かったでしょ、だから現代ではもっと認めなさい」的な押し付けはどうかと思う。
オスカーの天才に近い破綻した人生は興味深いが、この題材なら違う視点の描き方の方が良かった。
それにしても、英政府は「すでに廃止された性犯罪法で有罪となったまま亡くなった数千人の同性愛男性について、赦免すると発表した」そうだが、「赦免」?
「赦免」の意味は罪や過失を許すことだが、許すのでは無く罪ではなかったとなぜ認める事が出来ないのだろう?