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82年生まれ、キム・ジヨンのkaitoのレビュー・感想・評価

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)
3.4
『82年生まれ、キムジヨン』

レイトショーで観に行ったら鑑賞者は5人ほどだった。コロナウイルスを考慮すると密ではないのでいいことではあるが、もう少し人が入っていても良いのではないかとも思う。

『トガニ 幼き瞳の告発』や『新感染 ファイナルエクスプレス』で共演してるチョン・ユミとコン・ユの3度目?の共演。(たしか3度目)そのせいか不思議と安心感がある。演技も申し分ない。2人がしっかり役に溶け込めている様子が見て取れ、自然でよかった。

主に男尊女卑等のあらゆる差別が描かれている。映画だからといってそれらを過剰に映すのではなく、ごく自然でよかった。これも好印象。「憑依」という馴染みのない設定があるものの、これは本人の口から本音を言えない現代社会を象徴したものではないかと思う。

気になった点はあまりないけど強いて言うなら、数ある話・テーマがつぎはぎになってる感は否めなかった。また他の作品に比べて、ジヨン(チョン・ユミ)とデヒョン(コン・ユ)の絆があまり感じられなかった。目に焼き付けられるような印象的なカットもあまりなかった。

心苦しくなるほど惨いシーンもあって、現代社会が抱える問題を学ぶという点でも非常にいい映画だと思う。このレビューを書く前にAmazonで原作『82年生まれ、キムジヨン』の評価を見てみたが、「虚構ばかり」というレビューを目にして、男尊女卑社会が露呈していることに気付かされる。
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