【あなたの辛さと私の辛さは違う。】
「82年生まれ、キム・ジヨン」は小説は現状認識としてとても共感するけれど、閉塞感が残った。映画はもっと後退した描写の印象。小説にはなかった病名をつけたことにも納得はいかない。
日本の現状でいうと、1982年の男女雇用機会均等法以降、すでに30年以上に渡って存在する前線で立場を切り開いてきた女性のことが否定される感じもあり、モヤモヤした思いが残った。総合職で長らく働く女性の頑張りが否定されているような。
ただ見ただけでは、このようにそれぞれの立場から比較してモヤモヤするだけだと感じた。
女性の役割や職の変化を遂げさせるには、言論や運動を伴わないと、前には進めないので小説・映画と現実のアクティビズムが手をとることが重要だと思った。
映画としては、韓国のジェンダー感を少し勉強した結果、日本とは法的なシチュエーションが結構違うということも実感していたので、何かこう、乗り越えるヒントみたいなものがあったらよかったのかなと思う。それがないところに小説は醍醐味があったのだと思うけど、ちょっと映画では辛かった。
手元で頑張ろう。