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フェアウェルのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

フェアウェル(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

余命3ヶ月の祖母の為に、結婚を偽装する家族の話。

偽装結婚という設定、主演がオークワフィナという事で、コメディーなのかと思いきや、意外と真面目なファミリードラマだったなという印象。

リアルでユーモラスな家族描写に、中国の独特な文化や風習。
家族の中にある本音と建前の描き方など、是枝裕和作品を思い出したのだが、それもそのはずで、本作のルル・ワン監督は『歩いても 歩いても』を参考にしたんだとか。

「個人の命は全体の一部」という全体主義的な考えには危うさを抱きつつも、祖母の重荷を家族が分担するという考えは理解出来なくもないし、結果的に病気を隠した事が長寿の要因になったのかもしれない。
どちらが良い悪いではなく、異なる思想・価値観を理解する事に、この映画が作られた意味があるのだろう。

個人的には、祖母も薄々は自分の病気に気付いていて、息子達の茶番に付き合っているだけの様な気もするのだが、真実は祖母のみが知る…である。
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