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フェアウェルのsayanuのネタバレレビュー・内容・結末

フェアウェル(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

Crazy RichのAwkwafinaがすごく好きだったので、彼女主演ということで前情報なしで見に行きました。

Awkwafina、よかった!!
アメリカの文化最高って言われてその価値観で育って生きてきたのに30でもNYで成し遂げられずに中国人としてのアイデンティティに迷う、という。

家族に対して最期をどう伝えるか、という現代医療における死のテーマを在米中国人2世を通して描いていて、日本でもよくある話ですごく共感できてぐっときてたのにあのラスト笑
軽快に進む映画ですが、語っているものは濃かったです。

中国語の発音があまりよくない、漢字が読めない、東洋的な家族感がない、親は働き詰めで家庭が崩壊など在外中国人のジレンマをうまく、たくさん使っていて興味深かったです。課題が次から次へと現れる。舞台も北京語の場所ではないというのはとても面白いと思いました。NYのシンプルモダンでこざっぱりとした、ビリーの服装と長春の違い。おばあちゃんの担当医がイギリス帰りだということ。これでもかと詰め込まれていて飽きなかった。

日本の使い方もとてもうまかった。物理的な距離が日本とアメリカでは違う、ということの与える影響。長男の一人息子の嫁が日本人で英語も中国語もわからないからこそ成立する立場、とか。

細かい現実の要素を使って緻密に物語に仕立て上げてあったと思いました。

6年後におばあちゃんが生きていたとわかって爽快感だけ残るのもすごい。本当はまた5年10年で同じ話を繰り返すのだと思いだすのですが。

映画としての重さはなかったので自分の中で4に至らず。
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