ベルイマンのフィルモグラフィーの中で後期のテーマである「肉親の愛憎」の実験作という位置づけにして見ると面白いが、キタキタコレコレ!というベルイマンの真骨頂でもある人間の内面や互いにある愛憎の抉り出しのシーンはチラッと顔見せ程度でサラリと終わる。
「不良少女モニカ」と対比して見るのもアリかも、うーむ。
女の子の方だけを掘り下げれば、時代を反映し社会から爪弾きにされた子供達の声なき叫びを深く味わえそうなものだが、物語の軸はシンプルなラブストーリーと言った趣で、ピリリと効いている部分はあっても全体的に見ると凡庸な印象。
脚本はとてもいいがキャスティングや演出も「らしさ」が薄く、ベルイマン映画として見ると物足りない、がデートで娯楽を楽しむにはうってつけなドラマ映画ではある。
この時期何かあったのかな?
(エヴァ・ダールベックちょこっと出演)