Tully

うさぎドロップのTullyのネタバレレビュー・内容・結末

うさぎドロップ(2011年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

物語は、27歳で独身サラリーマンの 「ダイキチ」 が祖父の葬儀で、祖父の隠し子 「りん」 と出会います。ダイキチは6歳の少女が親戚中から邪魔物扱いされるのに怒りを覚え、両親や妹の反対を押し切ってりんを引き取ることにします。ひとり暮らしの借家へ連れ帰りますが、現実問題に直面します。保育園探し、残業のない部署への異動など、育児に係る社会的問題をちょっとずつ提起しながら、おねしょ対策など、慣れないながらも育児に全力投球のダイキチです。育児を題材にしながらも、人の繋がりや孤独も描かれていて、家族というものを考えさせられます。何が一番大切なのか、誰が一番大切なのか、優しいということはとても強くなければできない、なんて感じさせてくれました。心に沁みます。改めて、今の日本の子育て事情も考えさせられました。「児童虐待」 「育児放棄」 など。この映画の一番は、「松山ケンイチ」 が主人公の 「ダイキチ」 を見事に演じていたことと超天才売れっ子子役の 「芦田愛菜」 が掟破りの健気さで 「りん」 を演じたことです。誰もがそう感じたと思います。それに加えて、共演者が皆素晴らしい。特に女優陣は競演という言葉がぴったりで、脇役が出しゃばっていないのに光っていました。「香里奈」 や 「桐谷美玲」 そして 「池脇千鶴」 などの若手だけでなく 「風吹ジュン」 や 「高畑淳子」 などのベテランがすごく良かった。それも主要人物とされる俳優女優陣が、本気でこの作品に取り組んだからじゃないかと思います。自分自身が本気で取り組めば、周りの演技も光る。そう信じたからだと思います。是非今一度この作品を観て、今の日本の育児について考えてみてください。
Tully

Tully