とても良かった。まず、主演の兄妹役の佐藤健さん、そして鈴木亮平さん、松岡茉優さんがとても良かった。
松岡茉優ちゃんの自然体なお芝居、あれは一種の憑依だよなと感じる。
特に印象的なシーンはお母さんがある騒ぎを起こした日の夜、家について３人で中庭で一服してるシーン。松岡茉優ちゃんの言う「復刻本作ってんじゃねえよ」と笑い出すシーン。言い方が面白くて、一緒に吹き出しました。
残酷な過去を携えて生きる家族がテーマなだけに、終始暗い緊張感の漂う作品ではありながらも、ときどきホッとするシーンもあったりタクシー会社の仲間が底抜けに明るくて良い人たちなのがとても良いバランス。
そして佐藤健さんのカーチェイス後の感情が剥き出しになるシーンは、圧巻でした。強くて尖ってた彼が急に弱々しく見えるような、あの夜の10代のままの次男坊が肩越しに見えるようなお芝居で。ああ、そういうことだったのか、と。涙がこぼれました。
田中裕子さんのお芝居も良かったですね。隠しきれない苦悩と、溢れてしまう母としての優しさの絶妙なバランス。とてもよかったです。
満点あげたいんですけど個人的には千鳥の大吾が本当にいらなすぎた…。大吾は好きなんです、ごめんなさい、ただこの作品ではやっぱり急に浮くというかコント感出てて個人的には合わないと感じたのとMEGUMIのお芝居にも、もうひとつ深みが欲しいと感じたので、4.5点にしました。
