家族という呪縛。血のつながりがあるから罪や他人の悪意を背負わされる。家族だから話せないし話さない。言わなくても伝わると思うし、伝わらない。受け入れられない。許せない。そんな血のつながった家族だからのやり取りが重いけれど、笑えるシーンも多くて穏やかに進む。ただ、要所でそれぞれも心の闇や関係性のほころびが見え隠れして、不穏な空気は常にある。途中から入る佐々木蔵之介の話が本筋のトーンと違って違和感があり、終盤でメインの話と合流する流れは無理がある。やりたいことは分かるけどカーチェイスとかいらない。でも、その後のやりとりは号泣した。
主要の三兄弟は日本映画を代表する役者なのでみんな上手い。この三人のやりとりを見てるだけでも面白い。そして、脇の役者がみんな良い。意外だったけどＭＥＧＵＭＩがもの凄く良かった。大悟はいらなかったけど。
舞台が元だからか台詞が大仰だったり、シーンが舞台ぽいところがあったりする。ハッピーエンドすぎるとは思うけど、そこは白石監督や原作のやさしさの部分と思うので、これで良かったと思う。日本映画らしい温かさのある映画で感動した。
