仕事には“裏方”がいる。
“翻訳家”もそのひとつ。
彼らがいないと、日本語ですらあっぷあっぷの私は外国のお話に触れることも出来ない。
だけど彼らは大金を貰えるわけでもなく、誰かの記憶に残ることもない。
ふむ。
裏方がいて［仕事］になってるんだぞって映画か。
と思ってたのに…
「誰の力も借りていない！」
って“作者”が言い出して
ええーーっ！ってなった。
たぶんここが個人的に１番のどんでん返し。
いやいや…、出版する人とかその人に虫ケラみたいに扱われている部下とかその人らが汚したトイレやらを清掃してくれる人とか、そういうのが積み重なって［仕事］は完成してるんですよ、お嬢ちゃん。
気持ちが全く分からないわけじゃないけどさ。
お前は何も創っていないクセに！って。
でも世界中で楽しんでくれる人がいるのを「誰の力も借りていない」はムリあるって。
ほら、1人でやろうとするから死人が出た。
結局“裏方”を踏み躙っているのは主人公も悪役も同じだ。
独りっきりで良い仕事はなかなか出来るもんじゃないよ、お嬢ちゃん。
あ、犯人は「お嬢ちゃん」じゃありません。
だから安心してこの映画の犯人を探してください。
でももしオルガ・キュリレンコをお嬢ちゃんと呼んでいるなら貴方はオッサンですね。
これがメンタリズムです。
