高瀬とうや

9人の翻訳家 囚われたベストセラーの高瀬とうやのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

予想不可。
どんでん返しのさらにどんでん返し。
9人中5人が共犯だったことにも驚くし、地下室に軟禁される前に原稿を盗んでいたことにも驚愕だし、さらにアレックスが作者であったことにも度肝を抜かれた。

ブラック会社社長、エリックが部下にも見捨てられるところは痛快だし、撃たれたカテリーナは可哀そうだったけど、真実が明らかになる度に新たな驚きがあり飽きずに見られた。

しかしネット流出は深刻な問題だろうから、これほど厳重に作品を管理しないといけないのだろうなぁ、と同情するところも。
流出前には(自由がなかったり銃を持ったガードマンに見張られてたりするが)プールで泳げたり豪勢な食事を堪能できてたし。

なんか久々に「脚本で魅せられた」映画。
文句なし。

それにしてもなんで外国はネズミをあんなに怖がるのだ・・・。

【ストーリーを忘れるであろう未来の自分用あらすじ】
誰にも素性が知られてない謎の作家による、世界的ベストセラー「デダリュス」の最新刊を世界一斉販売する為に、主要国の翻訳家が9人集められた。
内容の漏洩を防ぐために、彼らは翻訳が完全に終わるまで監禁される。
しかも一度にすべての原稿を渡さずに1日に限られた枚数を渡すという念の入り様。
が、そんな厳戒態勢の中ネットに一部流出してしまう。
これ以上の流出を防ぎたければ多額の金を振り込めという脅迫付きで。
翻訳家を疑い彼らの尊厳すら傷つける出版社社長エリック。
だが流出の手段や犯人が一切わからない。
さらに内容が流出し、要求金額も跳ね上がってしまう。
怒りに燃えたエリックは食事や電気まで止めてしまう。
そんな中、エリックに「お前には作家としての才能がない。せいぜい翻訳家止まりだ」と罵られた翻訳家の一人が絶望し自殺してしまう。
とうとう死者がでたことに動揺する一行。
疑心暗鬼に陥る。
要求金額も8000万ユーロにあがり、追い詰められたエリックは翻訳家の一人カテリーナを撃つ。
彼女に好意を寄せていたアレックスは自分が流出させた犯人であることを告白し「金が払われるまで流出は止まらない。もしくは自宅にあるパソコンを操作することだ」と告げる。
エリックは女部下に止めるように命令するが、彼女はエリックに虐げられ彼の行動に日々疑問を抱いていたのでそれを無視する。
エリックは全財産を振り込む。
破産した彼を警備の人間は見捨て、カテリーナは搬送される。
カテリーナを撃ったことによりエリックは警察に拘束されるが、流出させた手口を知るために警察によって盗聴器を付けられた状態でアレックスと個室で会話する。
執拗に「作者と会わせろ」と言っていたアレックスだったが、出版社を変えようとしていた作者ジョルジュはエリックによって殺害されていた。
アレックスはジョルジュの死の真相を探るために流出事件を起こしていたのだ。
その手口はエリックの行動を把握していたアレックスが計画。
チェンとハビエル、テルマ、イングリットによる、エリックが電車に乗ってる隙に原稿が入ってる鞄をすりかえ、原稿をコピーして到着するまでに気づかれないように返すという方式だった。
だが、それだけでは説明行かない部分があった。
アレックスはエリックにつけられてる盗聴器を封じ「僕がデダリュスの作者だ。友達でもあるジョルジュが世に出そうと推したので彼に任せ出版したのだ。だが、翻訳家を監禁するやり方に異を唱え出版社を変えようとしたばかりに彼はお前に殺された。彼の死を明らかにするためにこんな計画を実行した。すでに金はお前に元通り返し、世間では自作自演だと思われてる」と告げる。
激高したエリックはアレックスを組み敷き殺害しようとする。
警官によってエリックは取り押さえられ、アレックスは彼の罪を告白させることに成功し、刑務所をでる。
高瀬とうや

高瀬とうや