拓風

ぼくらの7日間戦争の拓風のネタバレレビュー・内容・結末

ぼくらの7日間戦争(2019年製作の映画)
1.1

このレビューはネタバレを含みます

のっけから新海誠風味。

前作にあった大人対子供たちの対立の構図はかなり薄く、今作の主人公たちは大人に片足突っ込み始めた高校生。 
その高校生たちが引っ越しが嫌だと家出して、その先で暮らしていた不法移民の子供を守って大人とわちゃわちゃ。
作ってる方もここで絡めたら普通にまずいのはわかってるので騒ぎになっても警察は皆無。
前作で感じたワクワクもなく、たぶん大人たちが考え出した高校生たちはまるで小さい子のように分別もなく無理矢理「籠城して大人たちと戦う」話を繰り広げ、そのうちネットに名前も顔も晒されカミングアウト大会、ヒロインは主人公を振って同性に告白し成就、最終的に気球で脱出と、これは何をどう見たら良いのか。
最後ヒロインが元気にやってるのは見えたけど、晒された他の面々は無事なのか、結局有力者の娘だから全てから守られるあなたは笑顔でその後も送れるでしょうとしか思わないラスト。

良かったのは俳優二人の声優っぷりに違和感があまりなかったのと、前作とのリンクあたりになるけど、まあこれもお茶を濁す程度のリンク。リメイクと言うことで出してるだけ感満載。
そして「なんとかなる」って何だ。それこそ適当な大人の適当な考えにしか思えない。あなたと違ってこの子たちは未来永劫消えないものが残り続けるんですけど。

あと、個人的好みになるだろうけど、キャラクターのデザインが下手くそな人の絵にしか見えなく終始気になってしまった。

前作とガラッと変えてもう大人に近い高校生たちが「僕らの7日間戦争」名乗って大騒ぎして、結局作った人たちは何をしたかったのかわからない作品。

本歌取りは、元を踏まえた奥行きや重層感を作るためにするもので、元よりもどこか秀でたものを作らないとやる意味がないんですよ。
拓風

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