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スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼のTSのレビュー・感想・評価

1.7
【まずスマホを落とせよ】34点
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監督:中田秀夫
製作国:日本
ジャンル:サスペンス
収録時間:118分
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2020年劇場鑑賞12本目。
自ら墓穴を掘った様な映画。邦画の続編のいけないところを全て凝縮したような作品です。1作目はコンセプトが面白く、粗はあるものの個人的には肯定していました。が、今作はかなり杜撰。まずタイトルから大いに突っ込めまして、スマホを落とさない。うまいこと誤魔化してるような感じはしますが、厳密に言うと落としていない。ラストに思い出したかのようにこじつけてきますが、あんなの逆効果。鼻で笑ってしまいましたよ。ヒロインとしては北川景子が降板しているため白石麻衣が出てきます。ただ演技はというと。。成田凌の怪演も1作目の方が良かったし、どの要素も1作目を上回ることはないでしょう。

恐怖の事件のその後。神奈川県警の加賀谷は浦野が連続殺人を犯した山の捜査をしていた。そこにはまた新たな死体が発見され、浦野に事情聴取をするのだが。。

前作の良かったところは、タイトル通りスマホを落としただけなのに、浦野というスーパーハッカーがあらゆる手でスマホに細工をしてしまい、人生が滅茶苦茶になってしまうというところでした。それは、スマホ社会に警鐘を鳴らすかのような内容であり、なかなか社会派的でありました。
ところが今作はどうだ。前作の良いところに乗っかるだけ乗っかって、新たに出てきたMという犯人を追うだけのただのサスペンス映画。しかも、スマホを落とすことはなく、IT会社に勤めてるであろう者が店のフリーWi-Fiに接続し情報全部抜き取られるという間抜けっぷり。これならまだ前作のようにスマホをタクシーに置いてきた方がマシであります。副題の 囚われの殺人鬼だけでよかったのては?何も続編だからといって前作のタイトルを必ず使わないといけないということもない。『羊たちの沈黙』の続編が『ハンニバル』であるように。。

結局Mを探すには極悪人の力を借りないといけないという間抜けさも垣間見え、おまけに杜撰な警備により彼を取り逃がすという大失態も起こすし見てられない。今作はむしろ、脱獄犯を出してしまった某警察をディスりまくってる作品にさえ見えてしまいました。しかし、この続編を見にきている人は、前作のようなリズミカルな展開を期待している人が多いので、そんなものをぶっこまれても、、という感じでしょう。

犯人を応援するわけではないですが、高確率で逃げ切ることができたのに、欲望に負けてあれをするのもやばい。加賀谷の優柔不断ぶりにもイライラするし、犯人が誰かも容易に予想はつく。浦野以外こちらの想像の上をいく行動をしてくれない。やはり1作目で終わっておけばよかったのでしょう。間違えても3作目は作るなよ。。
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