はやく観に行ってくれ。これに尽きる。
『パラサイト 半地下の家族』
あけましておめでとうございます。2020年も映画鑑賞を頑張ろう。さて昨年の舞台挨拶で鑑賞したポンジュノ監督作品のレビューがまだであったため、2020年の一本目はそれです。
今となっては、アジアで1番と言ってもいいかもしれないポンジュノ監督。そして俺が人生において3番目に好きな監督である。彼は自分が持つ特徴を上手く映画に取り入れ、ユーモアであるにもかかわらず社会派でシリアス、そういった映画作るのがうまい印象。
この映画は近年まれに見る完璧と言える映画であり、これぞ映画と言える一本。どこをどの角度から切り取っても10/10もしくはそれに近い点数がつけられる。
まずは表面的な話から。ロケーションや撮影地が本当に素晴らしく、絶妙な選択であった。半地下家族が住む貧困地域は街全体がセットであったと監督が話していた。とてつもなく大きいプールのようなものを用意し、そこにリアリティある街を作っていたのだ。もちろん貧困地域のみならず、高級邸宅も良い。貧困地域を写すときはかなり淡い色で撮られてるのに対し、高級邸宅を写すときは色鮮やかであったように感じた。このように社会格差を視覚的に捉えさせる試みも大好きだ。天気もその一つである。
ソンガンホ筆頭に演技も文句なしに素晴らしい。コメディ調に描かれるシーンでもシリアスに描かれるシーンでも、どちらにも順応できる役者が勢揃いだった気がする。真面目であるはずのシーンも一周回って面白く感じ取れる。（彼の作品はこういうのが多い）劇中歌に使用される曲はどれも良かったし、オシャレで緊張感ある印象を我々に与えてくれた。
あえて内容は語らないので、ネタバレを喰らう前に観ることを勧める。今年のベスト10はもちろん。満点をつけたいところであるが、動機が理解できないシーンがあったため-0.1しとく。2回目観て、それが理解できたときはちゃっかり5.0にしてると思う。
