じょり

パラサイト 半地下の家族のじょりのレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.4
①豪邸内部がスタイリッシュ度70%
②調子に乗りすぎた半地下家族の身から出た錆度 20%
③鑑賞した雇い主に疑われ干された家庭教師の割合 推定1.885%(気をつけろ!)

上手い。芥川賞が取れるプロット。
各家族を極めて典型的に描くと家族そのものだけが問題になり得てしまう…それを終盤まで避け、ナチュラルな演技の流れで表現したユーモアに違和感なし。問題のテーマである格差社会と家族愛を背景に、起伏を抑えたコメディからの終盤、冒頭の消毒煙に始まる匂いの顕在化?も含め、社会病理をこれでもかと浮き彫りにした手腕はお見事。半地下側に属する身であり、この話が対岸の火事でもないので、素直に笑っていいのか戸惑った…
ハンパに福祉課等その手の役所を登場させないことで、より各家族へ集中を促したのもナイス判断。行政を「映す価値なし」とした点は、監督の「仕事して計画示せよお前ら」といった沈黙の怒りだと解釈したい!
よく出来た小説に欠かせない、如何様にも受け取れるEDが印象的で、演出も編集も上手いしリスペクトだな、こんなの。
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