洋タルト

パラサイト 半地下の家族の洋タルトのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

(*≧∀≦*)とにかくとにかくパラサイト!
終始その異様さに狂気を感じる作品!

今回はこのシーズンに絶対押さえておきたいと思っていた作品2つをハシゴして参りました!
その1作品目が、今回アカデミー賞を受賞したこの映画です。

正直、周りからの評判がいい事とアカデミー賞を受賞した事くらいしか事前情報はありませんでした。しかし見てみると予想以上でしたね…。

全員失業中のキム一家。そんなある日、長男のギウにパク一家の長女、ダヘの家庭教師を友人から依頼され、パク一家に目を付けたキム一家が事態をどんどん膨らませていくというのが今回のあらすじです。

この作品については、「半地下と高台」「無計画」「パラサイト」の3つのポイントに注目してレビューしていきたいと思います。

「半地下と高台」
キム一家は就職難の状況で半地下でWiFiなども他人のものを使うような貧しい生活を強いられていました。そして就職難であったということは、警備員についての話やピザの箱折りの内職のエピソードからも読み取れます。

対するパク一家は高台の豪華な家でで幸せな生活を送っていました。大雨の時も、半地下は汚水が溢れ出したりとしている中、高台は雨がやまない程度にしか描写がされていませんでした。

こういった半地下という設定と高台での暮らしを対比することで、韓国の貧富格差社会の深刻さを物語っているように感じました。そして、途中で描かれる半地下の臭いについてや、ギテクが社長を刺すシーンなどでは、金持ちの貧民への無関心さや無意識に半地下の貧民を見下しているということが描写されているように思えました。

「無計画」
計画なんてなければ失敗もない。そうギテクは言いました。
しかし、ギウは最後のシーンでギテクを助け出す計画を作ります。

確かに無計画であれば失敗はない。しかし、無計画であれば目標も成功もありません。無計画に勉強してもテストでいい結果を残しづらいのと一緒です。そして、彼はギテクを助けるという目標を成功させるために計画をたてました。

無計画を説いていた家族の一員が、成功のために計画をたてた。これはギウの進歩だったと思いました。

「パラサイト」
そして、このタイトルはずっとこの作品に付きまとってきました。
まず、半地下から人の家のWiFiを使ったりするなどの小さなパラサイトから始まり様々なパラサイトが起こります。

ダヘの家庭教師をすることになって、キム一家全員をパク一家の一員になり変わらせようとするパラサイト。
既に何年も前から始まっていたムングァン夫妻のパラサイト。
ダソンへのトラウマのパラサイト。
そして、貧民達の金持ちに対する怒りのパラサイト。

今までなかったものが寄生する。そして家庭や人の中でコソコソと動き回るのがこの作品の言うパラサイトだったのではないかと感じました。

そして、この作品は様々な考え方や消えない思いを作り出すかもしれない。
自分達にもパラサイトするかもしれない作品だと考えると、非常によく考えられているなと感じました。

以上がこの作品の中でのポイントでした。
北朝鮮のミサイルなどのシーンはかなりスレスレな内容ではあったものの、しっかりとネタにできていて面白かったです。

気になった点としては、すいません…特にありませんでした。

総合すると、非常に歪なシーンを不気味さを抑えながらも描き、どんどんと引き込まれる作品でした。
世界観に引き込まれていくという感覚でなく、この作品にパラサイトされるような感覚になっていくと思います。
洋タルト

洋タルト