このレビューはネタバレを含みます
すごい。すごくよくできた映画を観た。もう一度見たい。
やっぱりこの人すんごい上手いなと唸らされた。カットつなぎ、緩急の付け方、観客をやすやすと裏切る脚本、そしてあのラスト!
「半地下」の家族は、「半地下」や「机の下」「ベッドの下」と常に「上の人間」よりも下にいる。甘んじてその立場を受け入れざるを得ない。そして、さらに「下」にいる層が出てくる。繰り返し見せつけられる貧富の差、あらゆる格差。
その差がやすやすと逆転などしないことを観客は知っている。(逆転どころかさらに下に落ちているわけで)。知っているところに、あのラストを持ってくる。いままで見せられたどんなシーンよりも現実を突きつけられる。上手すぎる。
後半怒涛の展開、ジェットコースタームービーと言われているけど、実はちゃんと全部に意味があるしただデタラメに羽目を外しているわけではないのがすごい。
メタファーや伏線も細かく散りばめられてて、さりげなく回収されていく。思い出せば思い出すほど、上手すぎる!