人が人の心を持つ限りはどんなに深い闇を持っていても悪に染まることはできない…
彼らは最後まで"半"地下の家族であり日の当たる地上にも暗く深い地下にも行くことはできなかった
それが救いなのか、或いは呪いなのか、はたまた皮肉なのか、視聴者に委ねられる部分は多いが、格差問題から家族愛、人の心の不透明で飲み込みきれない何かを、テンポの良いコメディのような展開の中にあらゆる比喩を散りばめて描いているのは凄い
最後まで本当に目が離せなかった
あらゆるシーンの比喩は受け手に委ねられているし、ネタバレも怖いので細かい考察は筆の達者な方に任せるとしますのでひとつだけ書くとします
個人的に最も印象的だったのは水石
成功者である友人が持ち込み、その直後に家族にもチャンスが訪れ、あたかも幸運と成功の象徴であるかのような水石だが、洪水から拾い上げるシーンはまるで石が浮かんできたかのように撮られている
このあとを見れば石は本物であることは確かなのだが、前半と後半で石のもつ"重さ"がまるで違う
このワンカットが物語、登場人物の心境、すべてのカタストロフィとなっている
この見事なワンカットには息を呑みました
挙げればキリがない
他の方のレビューを拝見するのが楽しみですね
