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パラサイト 半地下の家族のVisorRobotのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

見て、俺はやっぱりあんまポンジュノ作品本質的には好きじゃないんだなと思った。
「真面目」なんで。

予想がつかない脚本が彼の持ち味何だろうが、俺は予想がつく脚本の方が好きなのだ。予想の範囲内で予想を外してほしい。
これだけ評価されているのにいまいち人並に魅力を理解できないという意味でバカリズムのコントと並ぶ。

とはいえ、画的なすごみとか取り方のセンス、キャスティングの的確さはわかるんです。

とはいえ一番俺が重視するのは「物語」としてどれだけよくできているか。

それには中盤のサプライズはあまりに小粒だったんだよなあ。そこからの下流家族同士の争いは「そもそもあれだけ狡猾だった家族が首にした家政婦を家に入れたりするかね? 家族で会談を転がり落ちてきたのもあほみたいだし」というのがずっと気になってあんまり楽しめなかった。

格差を描いたというけれどパラサイト側のファミリーはあそこに入り込めて一定の給料をもらえた時点で下流から中流への切符を手に入れたといっていいだろう。はよ、半地下の家引っ越せや!

台湾カステラの借金があるのかもしれないが、その割に初めは大して切羽詰まってなかった。それに、子どもたちが底辺のわりに賢すぎるんだよな~。そこらへんは裏設定があるのかもしれないけど、「計画」を立てるための狡猾さとか、上流を気取るための文化的資本とか、そういうものがないからこそ格差は根深いのではないのか?

数カ月も英語と美術を教えてぼろが出ないのはおかしいし、だとすればお前らは下流ではないよ。

普通に給料をもらって今の暮らしを抜け出せばよかったのに調子に乗って酒盛りするからあんな羽目になるのだ。

結局こいつはあほなんか賢いんかどっちなんだ!?とわからないのが視聴するうえで俺はかなりストレスになる。根本は賢いけど調子に乗っちゃうアホな部分があるということ……?そんなやついるかなあ。……いるかあ。

その真逆、「真面目で根本の賢さには欠けるタイプ」なのでそういう調子のりの気持ちがわからない。

あとは政治風刺だけど、そこらへんは知識不足でなんとも。北朝鮮の防空壕=半地下という部分がもっといろんな意味をもっているのかねえ。
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